イワンの馬鹿
西広島ドットコムへようこそ!
|トップ|新着情報|検索|サイトマップ|
 パソコン
 ネット

現在のところ、最も内容が充実しています。

 プログラム
 地域
 学習指導
 哲学
 創作
 批評
 トレード
 リンク集

ストーリー

イワンのばか (岩波少年文庫)

 お金持ちのひゃくしょうに三人の息子がいた。 長男は軍人のセミョーン、次男は商人のタラース、三男がひゃくしょうのイワンである。 悪魔は、兄弟が財産のことでけんかしないのが気に食わない。 小悪魔を呼んで、三人を仲たがいさせるように命令した。

 セミョーンに取りついた小悪魔は戦争で負けるようにしむけ、 タラースに取りついた小悪魔も買いこんだ物を馬のふんにして、それぞれ仕事に成功する。 けれども、イワンに取りついた小悪魔だけは、無欲で働き者のイワンに手をやき、 腹痛を起こしたり、地面を石のように固くしたりするが、 どうしても農作業を止めさせることができない。 ついにつかまって、イワンに痛み止めの木の根をわたし、去りぎわに 「神さまのご加護がありますように」というイワンの言葉を聞いて死んでしまう。 セミョーン係の小悪魔もイワンにわらを兵隊にする方法を教えてしまい、 タラース係の小悪魔も、イワンに木の葉をお金にする方法を教えるはめになる。

 兄たちに泣きつかれたイワンは、セミョーンに兵隊を、タラースに金貨を作ってやるが、 戦争をしたり、他人の大事なものを買っていくのを見て、それ以上作るのを断る。 その頃、病気の王女さまがいて、木の根を使って直したイワンは王さまになる。 王さまになってもイワンは働くのをやめず、イワンの国は働き者の国になる。

 この様子を見た悪魔の親分は、 セミョーン、タラースを次々不幸にさせていき、イワンのところへやってくる。 隣の国から攻めさせたが、軍隊がいないのを見た兵士たちは、気が抜けてしまう。 国民たちに働いたら金貨をやるといったが、 彼らは金貨を首飾りにする以上に興味を示さない。 手足でなく、頭で働く意味を教えようとした悪魔は、 何日しゃべってものれんに腕おしの状態にふらふらになり、とうとう塔から落ちて死んでしまう。

コメント

 晩年のトルストイは自らの地位や財産を投げうって、 ロシアの民衆のために生きようとした。 都会、アルコール、煙草、そうしたものから逃れ、 自然の中で収穫を迎える農民としての生き方こそ最高と考えたトルストイにとって、 戦争とお金は、自身から最も遠ざけるべき存在だった。

 軍人セミョーン、商人タラースの破滅と、農民イワンのくずれることなき幸福、 これこそトルストイの哲学であり、理想であった。 ロシア民話に題材を求めているとはいえ、 この作品は、トルストイ思想の核心を主題としている点で、 やはり作家トルストイの作品である。

 一見「馬鹿」とみえるほど徹底した働きぶり、 ちょっとやそっとじゃまが入ろうがゆるぐことなく自分のつとめを果たす姿勢、 それは古い時代の産物などではなく、現代に通じる人間としての荘厳な生き方ではないだろうか。

|サイトポリシー|プロフィール|地図|お問合せ|
2007- (C) Nishihiroshima.com RSS